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慶應義塾ITP派遣生からの現地報告書です


by keio-itp

あと3週間

パリ滞在中の坂内研の中村です。

早いのか遅いのかなんだかよく分かりませんが、1月か
ら始まった(僕は2月から参加でしたが)ガロアtrimes
terも(最終週のFontaineさんの研究集会も含めて)
残りあと三週間を切ってしまいました。2月中は(特に
下旬くらいは)日本恋しさと体調の悪さからなのか「こ
れいつ終わるんだろう、早く終わらないかな」とかたま
に考えたりしてしまっていたのですが、いざ終わりが見
えてくるといろいろな考えがよぎるものです。

今週で講義形式の講演は全て終わりで、来週はp進ラング
ランズ対応関連の小研究集会、再来週(最終週)はFonta
ineさんお祝い研究集会という予定です。で、今日で月曜
午前担当のFargueさんの連続講義が「p-divisible群のca
nonical sub groupの存在定理」を最後に証明して終わり
ました。どの講義が終わった後もみんなで拍手しているの
ですが、今日の講義終了後の拍手は最後なだけにいつもよ
り少し大きくてさらに授業に参加していた他の先生がワイ
ンのようなものを用意していてそれをFargueさんに贈って
いたりして、さすがだな、とつい思ってしまいました。Fa
rgueさんの講義がすばらしかったからそれに感動して個人
的にその先生が贈り物をしたのか、それともパリでは連続
講義が終わった後毎回誰かが何か贈り物をするという習慣
なのでしょうか。いずれにせよ、僕自身もFargueさんに何
か贈りたい、と思うほどすばらしい講義でした。

明日は、ColmezさんとChenevierさんの最後の講義があり、
それも楽しみです。特にシェネヴィエさんは、僕の今やって
いる研究とすごく関係していることを研究していて(という
か僕がシェネヴィエさんの研究にもろに影響されているだけ
なのですが)、講義が終わったあとお互いの最近の研究につ
いて話し合う予定なので、明日シェネヴィエさんの講義が終
わったら思い切り拍手したいと思っています。実は今回、パ
リに来たのもガロアtrimesterに参加するという以外にシェ
ネヴィエさんと話し合うというのも第二(むしろ第一?)の
目的でした。で、先週までは講義の準備で忙しいから講義が
終わってから話し合おうとシェネヴィエさんに言われてたの
で、その話し合いがもうそろそろ実現するのかと思い、一昨
日くらいから急速に緊張感が高まって来ています。僕はこう
いう状況になると、緊張のせいか何なのか、町中でその人の
幻覚(錯覚?)のようなものよく見るようになるのですが、
昨日と一昨日休日でパリの町中を散歩していたときも、あ、
シェネヴィエさん!と思ってよく見たら全然違う人だったと
いう体験が数回ありました。この体質は一体何なのでしょう
か?

この話の流れのついでに、パリに来てからの自分の研究の進
捗状況について少し報告させていただくと、二次元の場合の
Zariski densityの論文は、主要部の証明はだいたい書けてあ
ともう少しで書き終えられそうです。来週から研究集会が始
まり日本人の研究者の方々も多く来るので今週中には一通り
書き終えたいと思っています(がうまくいくでしょうか?)。
書いてる段階で自分なりに面白いこともいくつか気付けたり
もしたので、個人的にはこの進捗状況に少しは満足してもい
いのかなと思っています。とにかく明日からも気を抜かない
で書き進めていこうと思います。
by keio-itp | 2010-03-09 06:19 | 2010年エコールポリテク・中村