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慶應義塾ITP派遣生からの現地報告書です


by keio-itp

6週目の活動報告

こんにちは.
パリ東大学の林です.

ヨーロッパでは一昨日でサマータイムが終了し、日本との時差は8時間となりました.
太陽が出ている時間も短くなってきたので、ますます1日が短く感じられます.

前回のブログを執筆した段階では、新たな研究手法について戦略を練るため、従来研究の論文を読みあさっていました.
その後、教員や他のPhDの学生と議論し、ようやくはっきりした手法のアイディアがまとまりました.
今はそのアイディアに基づいてプログラムを実装しているところです.

もちろん、その手法のアイディアがうまく働くかどうかは実験してみないとわかりません.
実はここでの研究生活も半分を過ぎていて、残り1ヶ月強という段階です.
残り少ない時間でどれだけできるか、自分との戦いです.

前回のブログで、私の研究目的が3次元モデル検索に変更になったことを述べました.
今回は、一体この研究が何に役立つのかをまとめてみたいと思います.

3次元モデル検索は、従来は2次元画像検索に比べてあまり研究されてきませんでした.
その主な理由は、コンピュータが3次元モデルを扱う能力を持っていなかったからだと言われています.
2次元画像の方が頻繁に生活にも登場しますし、やはりニーズ自体あまりなかったのではないでしょうか.

しかし、近年、コンピュータが急速に発展し、3次元モデルを高いレベルで扱うことが可能になってきました.
具体的には、3次元モデルのデザインや、正確で高速なスキャンによる現実世界の物体の3次元モデル取得などです.
それらの技術は、文化遺跡の記録保管、分子モデリング、ビデオゲーム制作、そして自動車のような機械部品の設計などに利用されています.
それに伴い、3次元モデルが、ネット上や特定のデータベースなどに大量に保存されるようになりました.

そうすると、既存の3次元モデルを利用するときなどの場合に、そのデータベースなどから検索する必要ができてます.
また、似たようなモデルの断片を利用して、新しいモデルを作成するシステム等の存在も、検索のニーズを高めています.

検索の方法としては、テキストをユーザが打ち込んで、予めタグ付けされているキーワードと一致した3次元モデルを検索する手法が考えられます.
しかし、そのタグ付けは人手によって行われるため、言語や文化、その人の主観など、様々な要素を考慮擦る必要があり、統一性を持たすことが困難です.

よって、3次元モデルを入力として類似したものを検索する必要性が出てくるのです.

また、検索ということは3次元モデル認識にも通じるところがあります.
よって、将来は、ロボットなどに取り付けられたレンジセンサから、目の前の物体が何であるかを認識するというようなことに対しても、この研究は貢献できるのではないかと思っています.

結局長くなってしまいましたが、私の研究目的、ニーズは以上のようなものとなるのかなと思います.
この分野を勉強してまだ2ヶ月程度しか経っていないので、この場を思考の整理にさせていただいて大変恐縮です.
もし間違いがありましたら、教えていただきたいくらいです.
とりあえず、このようなモチベーションのもと、残りの研究生活を全うしたいと思います.

少し疲れてしまったので、何枚かの写真でこちらでの私生活の様子をお伝えします.

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こっちに留学しに来ているサークルの後輩とその友人たちとカラオケに行きました.
まさかフランスでカラオケにいくとは思いもしませんでした.
一番左の人は歌に夢中です.

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ベルサイユ宮殿です.現在展示の中止を求められている村上隆氏の作品展示会も行われていました.
中止を求める気持ちも結構わかります.

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その日は、夏季限定の大噴水祭の最終日でした.噴水と僕が丸かぶりしています.

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夕焼けがすごく綺麗でした.自分一人だったので、もったいない気がしました.

それでは、また今日から頑張ります.

林智紀
by keio-itp | 2010-11-01 21:37 | 2010年パリ東大学・林