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慶應義塾ITP派遣生からの現地報告書です


by keio-itp

四日目

栗原研博士一年の野村です。

ボストンは肌寒く長袖が必要でしたが、空気は非常にさわやかで、私としては過ごしやすい気候でした。

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Boston大学、MIT、そしてHarvard大学の学生は羨ましい限りです。

さて、四日間に渡るWorkshopも今日が最終日となります。最初の三講演は、昨日は休講だったStevens先生、坂内先生、Weinstein先生による連続公演です。

最初の講演は坂内先生。

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坂内先生の講演はポリログとp-進L関数に関する講演でしたが、私が聞いたことのあるcohomologyが全て登場していました。まだまだ私にとっては抽象度が高く理解するのは難しい内容でしたが、他の講演に比べると聞きなれた「単語」が多かった分救われてように思います。

二人目はWeinstein先生

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Weinstein先生の講演では「perfectiod space」なる聞きなれない空間が飛び交うものでした。初日の講演では相当elementaryな部分から解説してくださったので、「ふむふむそのようなものか」と分かったつもりでいたのですが、内容についていくのはやはりhardでありました。

ここで朝食タイム。アメリカに来てからはハンバーガーやらピザやらそれらしいものを食べていましたが、昼は近くのタイ料理やに二度ほど行きました。番号札が配られて料理ができると番号を呼ばれるのですが、高々数字が聞き取りづらくて若干緊張しながら待っていました。この日はチャーハンのようなものを食べましたが、味は悪くなかったと思います。


さて、昼食の後はStevens先生の最後の講演

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Stevens先生は耳が悪いとのことで、質問がある場合はキーボードで打ち込まれたものを読むということをなさっていましたが、それでも一切の支障なく講演が行われていたことには驚かされました。


以上で連続公演は終了です。
普段あまり触れることのない内容でもあり、私にとってはハイレベルな内容でついていくことだけで手一杯でした。そんな中でWorkshopに参加していたPottharstさんはどうも全ての講演の内容をきちんと理解されていたようで、世の中にはすごい人がいるものだなと驚かされました。

残るは学生、PDの発表です。これらの講演も今日が最後になります。 学生発表四日目のトップバッターは坂内研の広常くん。題目は「p-adic Eisenstein-Kronecker series and special values of p-adic L-functions」

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修士論文に向けた発表でしたが、修士論文発表会では今回「目標」とされたものがすべて定理として語られることを期待しています。

二番手は栗原研同期の北島くん。題目は「K-groups of number fields in a Zˆ-extension」

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講演の後もBoston大学の方と質疑応答をしていたので、北島くんとしては良い経験になったのではないかと思います。

さて、いよいよWorkshop最後の講演となりました。講演者は坂内研の萩原さん。題目は「Kummer étale K-theory and its application」

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萩原さんの講演は前半はKummer étale K-theoryに関する抽象的な内容でしたが、最後にそれをモジュラー曲線に応用し、Boston大学の人に大いに受けました。Workshopを見事に締めくくるすばらしい講演だったと思います。

これにてworkshopの全行程が終了です。公の場での初めての発表ということもあり、緊張もありました。さらに、英語での質疑応答は質問内容を理解するのにも一苦労で、なんと答えるかにも窮してしまい大変な思いをしました。しかしながら、そんな苦労も込めて非常に実りの多い時間を過ごすことができたと思います。


夜は2班に別れての夕食。

私はオイスターバーで牡蠣を食べ続けていました。

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もう一方の班はロブスターにかぶりついていたようです。

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これにて終了!
by keio-itp | 2011-09-18 18:19 | 2011年ボストンワークショップ