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慶應義塾ITP派遣生からの現地報告書です


by keio-itp

カテゴリ:2013年ETHZ・松尾( 6 )

帰国間近

ETHZの松尾です.

ブログの更新が滞ってしまい,確認してみたら前回の投稿から一ヶ月以上空いてしまっていました.しかし,この一ヶ月は本当に早く過ぎ去り,4月が本当に一ヶ月あったのか不思議になるくらいでした.

前回の投稿でも行ったように,数値実験で収束改善がみられよい結果を得ることが出来ました.この一ヶ月はその他の問題にも同じことが表れるか,どのくらいのサイズの問題に表れるかなどを中心に実験を行ってきました.結果として,線形問題の非常に大きなものに対しては良い結果が得られましたが,その他に関しては,誤差の範囲ではないが明らかに良いというにはイマイチなものが多く,なかなか進展しないストレスフルな日々を送っていました.

そして,先日この4ヶ月弱のまとめとなる発表を行ってきました.たどたどしい英語で,かつ大きい成果があるわけではありませんでしたが無事終えることができてほっとしました.

帰国後,改めて今回の研究留学を振り返るつもりですが,期間中は自分の研究に対する態度の積極性や知識,能力の不足を何度も実感したりすることが多く,とても良い経験をすることができました.
また,初めての一人暮らし,しかも海外に長い間住むことで不便なことや戸惑うことも多く,それをクリアすることまた一つ成長できたんではないかと思っています.

あと2日,こちらでお世話になった方々にお礼を言って,部屋を片付けて,気を抜かずに帰国したいと思います.
by keio-itp | 2013-05-02 23:06 | 2013年ETHZ・松尾

まだまだ冬

ETHZの松尾です.
またまた,間が空いてしまいました.東京は気温も上がり花粉がすごいことになってるみたいですが,Zurichはまだまだ寒いです.今年の冬は特に長いらしく,先週は一週間雪が降りましたし,今週も天気が悪く氷点下になることも多いです.どうやらヨーロッパ全土に寒波が来ているらしく,春はまだまだといった感じです.ちなみに,花粉もありません.(あれは日本特有ですよね)

この3週間ほどプログラムでわからないところがあり,研究が全く進みませんでした.
書いたプログラムが途中で止まってしまうという研究の本質的な部分とは関係ないところの問題だったので,はやく切り抜けたかったのですが,周りの博士の方々に聞いても原因がわからず悶々とした日々が続いていました.それでも,毎日一つ一つ原因になりそうな部分を潰すことでなんとか一歩進むことができました.そして,それをきかっけに今週は良い結果を得ることができました.Arbenz教授に提案していただいた前処理行列を生成することに成功し,さらにそれによって収束改善が得られました.これを元に,パラメーターを変えていろいろ問題に適応させデータを集めていきたいと思います.
by keio-itp | 2013-03-22 22:40 | 2013年ETHZ・松尾
ETHZの松尾です.前回のブログから2週間もたってしまいました.
Zurichでの生活は慣れましたが,まだ気温が氷点下なることも多く,また山に囲まれているためか天気がとても変わりやすく毎日雪が降っています.(写真は大学からのZurich市内の眺めです)
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さて先週,先々週と研究はわずかずつですが進みました.
先々週に前処理法の勉強は終了し,実際にプログラミングをするところにはいりました.しかし,プログラミングはなかなか進まずエラーとの戦いです.ただでさえ,今まで使ったことのないプログラミング言語なので,関数やメモリーの取り方など勉強する必要があるのに加え,さらに新しいパッケージを使うために使ったことのない環境を用意したりしていました.exampleを元に見よう見まねでプログラムを作ってみては,毎日一つずつエラーの部分を解決していくという感じで,早くも2週間ほど取られてしまいました.特に対象となる行列から特定の要素を抜き出すところに苦労しましたが,Arbenz教授の助言などもありなんとか達成することができました.
Arbenz教授とは週に2回くらいdiscussionをしていますが,毎回研究に関してさまざまなアイディアを提供してくださります.また,私の下手な英語もちゃんと聞いてくださるので本当に感謝しています.discussion中はまだ言いたいことの半分くらいしか言葉にできませんが...

この前処理行列のプログラムを作ることも重要ですが,「この前処理行列が実際にどう作用しているか考察する」ことが本当にやりたいことなので,来週はもう少しスピードをあげて,その取り出した要素をもとに行列を生成し結果を出す所までもっていき,早く教授に成果を報告したいと思っています.

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さて,最近思ったことを報告しておきます.
お邪魔している研究室では毎日お昼ご飯を一緒に食べているのですが,この間ふとしたことから為替の話になりました.「日本では,去年政権が変わってからすごい円安になっているんだ」と話したら,
「そのことは知っている.スイスも為替についてはいろいろ問題を抱えているからね.ところで,お金は大丈夫なの?」と言われました.
そうなんです,お金は大丈夫ですが,なんとこの半年で1フラン=81円から101円まで20円ほど上がったのでなんかちょっと(計算してみるとちょっとという額ではない)損した気分になってます.でも「輸出企業が多いからよかったね」と日本の新聞紙のようなコメントをいただきました.スイスでも日本のことはそれなりに報道されてるみたいです.また,「スイス政府も1フラン=1.2ユーロよりフラン高にはしないという政策を取っていて市場にお金をすごくばらまいているんだ.スイスは輸出企業が多いからそういう政策が必要なんだけど,かなり危険な賭けなんだよね」という話も聞きました.
チューリッヒに来てから,物価が高く,住宅が見つけにくいけど,公共交通機関が発達してて,女性が夜一人で歩けるくらい治安がいい,と,なんだか東京に似ているなと思ったんですが,この話を聞いて,輸出系企業が多く,自国通貨が強いというところも,スイスは日本に似ているなーと思いました.
by keio-itp | 2013-02-24 23:50 | 2013年ETHZ・松尾

三週目・四週目

ETHZの松尾です.少し更新が遅くなってしまいました.前回の日記にも書きましたが,本当に一週間が早くて,もう2月かとパソコンの表示をみてびっくりしてます.
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さて前回研究について少し書きましたが,実はこっちに来てから先週までずっと研究をするための環境を整えていました.具体的には,研究で使うコンピューターに6つのパッケージを導入するというもので,文章にすると簡単ですが,実際はエラーが出たり,うまくリンクが通らなかったりとても根気のいる作業でした.導入したパッケージの関数の使い方や書き方がわからず,テストプログラムをあれこれいじり,使い方を覚えていました.この間,研究室の人に聞いたり,リファレンスデスクにメールしたり,実際にこっちまで来てもらってみてもらったりと,私のつたない英語をなんとか理解してくれて,本当に周りの人に助けてもらっていました.ありがとうございました.研究も大変ですが,環境を整えるというのも同じくらい大変だと改めて感じました.

そして今週から研究が本格的に始まったわけですが,まずArbenz教授と話し合い,研究の方向性と具体的な最初のステップの確認を行いました.前任者のHua博士が行ってきたのは,特定のMaxwell方程式から導出される一般化固有値問題の解法を見つけるというものでしたが,その中では前処理行列にはあまり焦点を当てていなく,最適化されていませでした.
そこで,私はその研究を引き継ぎ,主に前処理行列に焦点を当て研究をしていくことになっています.今週は,手始めにある前処理行列を生成するためにコードを書いていました.本当は実行する所まで行きたかったのですが,初めて使うC++言語やパッケージの関数など環境がかなり違うので一つ一つ確認する必要があり,思うようには進みませんでした.まだ時間はあるので,焦らずに進めて行きたいと思います.
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さて,今回はzurichでの生活について少し書きたいと思います.私は,大学から約30分ぐらいの所にある学生寮に住んでいます.キッチン,お風呂,トイレは共用ですが,約10畳?くらいの部屋一人でとても快適です.この学生寮はzurich市内にある大学に通ってる学生が使えるところらしく,いろいろな国籍・年齢の人が住んでいます.
大学へはバスとTram(路面電車)を使い通っています.以前にも書きましたが,スイスは鉄道やバス・Tramなどの公共交通機関がとても発達していて,どこに行くにもとても便利です.その反面,とても物価が高く(例えば学食は最低1000円),外食を毎日するわけにはいかないのでみんな自炊をしています.私もこっちに来てから,調理道具を買って毎日朝ご飯と夜ご飯を作っています.とはいっても,冷蔵庫も小さく食材を保存しておけないので,サンドイッチやパスタなどの決まったものしか作っていません.
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これは市内を散策した時の写真です.
zurichは四方を山に囲まれてる小さな都市なので中心部・名所がある場所は,とても小さく1日あれば回れてしまいます.
しかしその分,自然も多くとても景色がよく空気もきれいです.
週末には,市内が見渡せる高台に子供連れの家族やカップルがいっぱいいます.
今はまだ寒く天気も曇りだったり雪だったりすることが多いですが,もう少し暖かくなったらもう少し足を広げて散策してみたいと思います.
by keio-itp | 2013-02-02 00:37 | 2013年ETHZ・松尾

二週目

二週目

こんにちは.ETHZの松尾です.一週間があっという間にすぎてしまいました.
この調子だと,一ヶ月も一瞬で終わって何も研究進まないんじゃないか・・・っていう不安にかられています.
さらに,一週間ずっと最高気温が氷点下という日々でした.歩いていると顔がちょっと痛くいつの間にか鼻水が出てるという貴重な体験をしました.
東京でも大雪だったそうですが,こっちも一週間雪が降りっぱなしでした.
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さて先週は,月曜日にArbenz教授から「木曜日に修論についての発表してよ」といわれ,え?となりつつもつたない英語でプレゼンをさせてもらいました.
私の研究は,数値計算のBlock Gram-Schimid法の高速化に関する研究です.
Gram-Schmidt法はQR分解やKrylov部分空間法などで使われるとても重要な手法で,様々な修正や改良がなされています.
私はその中でも,Block化されたGram-Schmidt法のblock-sizeの研究などを修士課程時代にやってきました.
内容やスライドなどは前からあるからいいものの,英語であることと,なによりもこちらのお世話になっている教授や研究室の方々に見られるということでとても緊張しました.
質疑応答で相手の言っていることがわからず,若干不完全燃焼でしたが,発表自体はうまくできたように思います.
ちなみに,スイスでは拍手というものをしません.代わりに,グーで机をトントンとたたきます.
これはドイツと一緒ですね.チューリッヒがドイツ語圏であることがこのことからもよくわかります.

しかし,私がETHZでしている,することになっている研究は少し違っています.
お世話になっているArbenz教授は,今までやってきたGram-Schmidt法がよく使われている固有値問題の解法についての専門家でいらっしゃり,
今回は固有値問題に対する前処理行列の研究をすることになっています.これは前回ご紹介したHua博士が博士課程のプロジェクトで行ってきたことであり,
さらにこれを修正して結果を改善することが私の目標です.
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この研究に関連して,月曜日にジュネーヴにあるCERNに見学に行ってきました.

朝7時に中央駅に集合しZurichから電車で約3時間,車内の食堂車でご飯を食べたりしながらジュネーヴまでいきます.
ちなみにジュネーヴというのは日本語発音で,最初は全然通じませんでした.現地ではジネーバと発音するそうです.
さらにこのジュネーヴには国連の本部があったり国際会議も多く,スイスの首都と思われている方も多いと思いますがスイスの首都はここではありません.
そう,スイスの首都はいま僕が来ている,スイス最大の都市Zurichで・・・・・・もありません笑
(こちらにくる前,友達に聞かれたときに「スイスの首都はチューリッヒだよ」とみんなに言いふらしてたのは内緒です)
スイスの首都はBergというスイスの中央に位置する都市です.・・・まぁ,どこ?って感じですよね.

さて,ちょっと話が脱線してしまいましたが,お昼頃CERNに到着しました.
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約5時間ほど,CERNで働いてる方々から直接説明していただき,施設を見たり地下のLHCにおりたり,普通じゃ絶対にできない経験をさせていただきました.
CERNのメインオフィスのほとんどはスイス側にありますが一部はフランスにあったりと,とても広大な研究施設でした.
特にCERNにある巨大加速器LHCの検出器に使われている材料の特性をシュミレーションする際,固有値問題が出現し私たちの研究が関わってきます.
帰宅したのは夜11頃で結構疲れましたが,シュミレーションの対象物を自分で見ることができて,今後の研究をする際にも問題を解く上で実感を得ることができるようになったのでとても有意義でした.
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さて,次回はこちらでの生活などについて書きたいと思います.
by keio-itp | 2013-01-23 01:09 | 2013年ETHZ・松尾

初めまして.

初めまして.
このたび,慶應義塾大学ITP「数理科学が先導するボーダレス基礎理工学若手研究者国際育成戦略」でスイス連邦工科大学チューリッヒ校(略称 ETHZ)に派遣させていただくことになった,基礎理工学専攻博士課程1年の松尾です.
これからZurichでの生活,大学の様子,研究についてなど報告していきたいと思います.

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成田空港を出発しコペンハーゲンを経由してチューリッヒに着いたのが,現地時間1月6日の夜8時でした.フライト時間は約15時間.かなり疲れました.

空港には,今回研究や生活の仕方などいろいろなことでお世話になるHua Guo博士が迎えにきてくれました.なんでも私が住むアパートに二年前までHua博士が住んでいたらしく,アパートまでも道案内やスーパーの位置,大学までの行き方など,とても親切にいろんなことを教えてくれました.

空港からアパートまでは電車,トラム,バスを乗り継ぎ,約1時間ほどで着きました.チューリッヒは市内の公共交通機関がかなり発達していて,車を運転できない私のような学生にはとても住みやすそうです.すべての公共交通機関が夜12時をすぎても動いているらしく,東京に似ているなーと思いました.

ただ,ファストフードのような店はなく,またほとんどすべてのお店が18時30分ごろで閉まってしまうので,食べ物を買いそびれるとちょっと大変です.

そしてこれが私の部屋.
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学生寮で,机,ベッド,タンス,洗面台,小さい冷蔵庫がありますが,トイレ,お風呂,キッチンは共用です.家賃は550CHF/month.相場はわかりませんが,この部屋を取ってくださったこちらの研究室の秘書さんによると,安くてかなりラッキーらしいです.
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次の日は大学に行き,今回お世話になるArbenz教授にご挨拶をするとともに,今後の研究などについてディスカッションをしました.Arbenz教授はいろいろなプロジェクトを抱えていらっしゃっており,今回はその中から教授とHua博士が行っていたプロジェクトを引き継ぐというプロジェクトを私にあうように作っていただきました.
ただ,ディスカッションというと聞こえはいいですが,正直話についていくのが精一杯で,Arbenz教授とHua博士が話しているのを聞いているのがほとんどでした.
途中教授から,「これは知っているか?」「じゃあこれは?」「これはやったことある?」などいろいろ質問されましたが,ほとんど答えはNoでこれからがかなり不安になりました・・・.

そしてこれが私が使わせていただくことになった研究デスクです.
Hua博士と二人部屋です.
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ETHでは(少なくとも私の周りの部屋では)このように博士課程or博士と二人で一つの部屋を使うというのが一般的のようですが,飛び入りで参加させていただいた私にとってはとても贅沢でありがたいことです.ちなみに,Arbenz教授の研究グループは部屋を3つか4つ持っているらしいですが,なんとこの間のsemesterで5人の博士課程の人が修了し大学を出て行ったらしく,いまでは私を含め4人ほどしかグループには所属していません.
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長くなったので,とりあえずはこの辺で.
次回また,研究などについても書いていきたいと思います.
by keio-itp | 2013-01-13 19:04 | 2013年ETHZ・松尾