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慶應義塾ITP派遣生からの現地報告書です


by keio-itp

はじめまして

このたびに慶應義塾大学ITPを利用してアメリカ・シカゴに短期留学させていただくことになりました、花井と申します。派遣期間は1月6日から3月22日の約3か月です。どうぞよろしくお願いします。

シカゴに到着したのは1月6日(月)でしたが、その日はここ20年で最悪の寒波がこの地域を襲った日で、-25℃まで冷え込みました。深く息をすると肺が凍ってしまう危険性があるらしく、できるだけ息をしないように注意しました。路面はすべて凍っており、大変危険な状況でした。空港から宿泊先への道のりで車の横転事故と衝突事故を1件ずつ目撃し、たいへん怖かったです(怖がっていたことをタクシーの運転手に茶化されました)。低温の影響で大学も休講となりました。宿泊先を大学内の寮に選んだのですが、大学の事務所が閉まっていたため宿泊する棟に入るカードがもらえず、事務処理に苦労するなど、波乱のスタートとなりました。

私の派遣先は、シカゴ大学および、そこと連携したアルゴンヌ国立研究所です。Peter B. Littlewood教授のもと、励起子/励起子ポラリトンの非平衡特性に関する理論研究を行う予定です。研究内容の詳細はおいおい説明していきたいと思います。

シカゴ大学のキャンパス内の写真を数枚載せておきます。すべての学部が同じキャンパスにあり、それゆえに大学が街のように広いです(というより、街とキャンパスのはっきりとした区切りがありません)。
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# by keio-itp | 2014-01-12 04:54 | 2013年シカゴ大学・花井

あと20日

お疲れ様です。UCバークレーの高井です。
早いものでバークレーの滞在も残すところあと20日ほどになりました。
時の経つのが年々早くなってきているとはいえ、この3ヶ月は
本当にあっという間でした。

研究に関して。先日書きました Manin 予想の Hilbert 保型形式への一般化について、理想のタイプの Jacquet-Langlands 対応があると仮定しての証明は確認できました。
なので、あとはやはり Jacquet-Langlands 対応を確認することを残された時間に行う予定です。
簡単に言うと、Hilbert 保型 newform から決まる Shimura 曲線の整モデルの余接空間と Hilbert モジュラー多様体の整モデルの余接空間の間に Jacquet-Langlands 対応が実現できれば良いのですが。
あと20日で追い込んで進めたいと思います。

今日は、毎日個人的に癒されていたリスの写真を載せておきます。
バークレーには(アトランタにもたくさんいたので、アメリカには、かもしれませんが)日本では信じられないほど、道端やキャンパスの至る所にリスがおり、また信じられないほど、アメリカの人達はリスに無関心です。
日本でいうハトみたいなに無視です。
最近、道路沿いのリスよりキャンパス内のリスのほうが
警戒心がなくて太っていることに気付きました。
大学に来ている訪問者がよく食べ物をあげているからでしょうね。
こちらが道端のリスです。
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こちらがキャンパス内のリス。
あと20日_e0194142_17385195.jpg

かわいい。
# by keio-itp | 2014-01-10 17:42 | 2013年UCバークレー・高井
LENSにてインターンシップ中の阿部です。

今週から本格的に研究がスタートです。
前々回の投稿で書いたように派遣先のグループでは4 um帯の光源の開発を行っています。
現在進行中のプロジェクトとして量子カスケードレーザーの性能を向上させるいうものがあり、
自分もそれに参加することなりました。

そもそもレーザーの性能とはなんなのかということがあります。
日本にいるときもそうだったのですが、自分のたずさわる分野に関してはスペクトル線幅が狭い、
周波数が一定であるということが重要視されます。
スペクトル線幅が狭いというのは青なら青、赤なら赤といった光の色の単色性が高いことを指します。
周波数が一定というのは、だいぶおおざっぱに例を言うと
青色の光が紫色に変わるということがないということになります。
特に私たちの分野は精度が10桁というのはざらにありますが、
その精度で周波数が一定であるということは非常に大変なことです。
そのほかにもハイパワーも性能の一つになるかと思います。
こういった「性能」を向上させることを当面の目標として取り組んでいきます。

話は変わっていくつかこちらの公共機関を使ったのでそれを書こうと思います。
1つ目は郵便局です。
なぜ郵便局に行ったかというと日本に絵葉書を何通か送るためです。
イタリアの郵便局の色は黄色です。
中に入ると日本と同じように用件ごとにボタンを押して順番を待つというスタイルです。
順番を待っていて電光掲示板に自分の札の番号がともったらその窓口に行き、用件をいいます。
今回は日本までのエアメールなので1通2ユーロでした。
実は5年ほど前は0.85ユーロだったらしいです。
よくインターネットでは0.85ユーロと書いてあったので安いなあと思っていましたが、
今はこのお値段が正規らしいです
(イタリアはおおらかなので違う切手の値段でも届いたという人の情報もありますが、・・・)

2つ目はバスです。
これがないとダウンタウンまででることができません。
バスは結構頻繁にでています。
ただ乗り方が初心者向けではありません。
切符売り場で買うと切符は安いのですが、それがバス停付近にないことが多いです。
バスの運転手から買おうとしても拒否されることもあります。
実際運転手は切符のチェックはしていませんが、
無銭乗車の立ち入り検査があるらしくこれに引っかかると結構な罰金を取られるようです(インターネット情報)。

3つ目は電車です。
これも日本と違い、ホームまでは切符がなくてもいけます。
駅各所にある印字器?に切符をいれます。
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切符にこのときの日時が記載されます。
これもインターネットだと黄色の印字ボックスに切符を入れると書いてありますが、
今回乗った駅に黄色のボックスがなくあせりました。
その代わりに緑色のかっこいい?印字器が設置されています。
電車自体は今回乗った電車は鈍行に分類されるものなのですが、
全ボックス席形式で乗り心地は良かったです。
最後に駅で電車を待っている際に撮った写真を載せます。
これからの研究とイタリアの公共機関_e0194142_98592.jpg


【今週のイタリア語】
~ per fovore!
英語のpleaseと同義。
たとえばcafeを1杯注文するならばUno cafe, per fovore!となります。
# by keio-itp | 2014-01-08 09:18 | 2013年LENS・阿部

Arriving at the youth hostel

This was the first day, in Swiss Cottage.
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# by keio-itp | 2014-01-05 14:00 | 2014年ロンドン大学

総括

・派遣を終えて

今回のドイツ派遣が決まったのは6月の頃でした。ミュンヘン工科大学のMartin Brandt教授が伊藤研究室に訪問された際、自己紹介もかねて自分の研究内容を紹介したのがきっかけです。たった15分程度の会話でしたが、研究内容に興味を持っていただき、ドイツで一緒に実験をしてみないか、というお話を頂きました。海外経験もほぼ0であった自分にとって向こうで生活していけるのか不安はありましたが、思い切ってチャレンジしてみる事にしました。
そして10月11日。成田空港からミュンヘンへ旅立ちました。ドイツを訪れるのは初めてのことでしたが、10月にしてすでに肌寒く、半袖のシャツで日本を去った私は風邪をひいてしまった事を覚えています。
一人暮らしすら未経験の私にとってドイツでの生活は全く勝手の異なる物でした。平日は夜8時に閉店し、日曜は完全休業日となっているお店。買い物をしようにもドイツ語表記で書いてあり一体何なのか今一つわからない食品。生活に慣れるまでの最初の2~3週間はとても長く感じられました。
研究面ではミュンヘン工科大学の学生のレベルの高さに驚かされました。研究内容に関する知識だけでなく、プログラミング、電気電子回路など装置系構築に必要な周辺知識も豊富で、説明を受けても中々理解できない場面もちらほらと。また、私自身の英会話力もそれほどなく、あまり込み入った受け答えができなかったため苦戦しました。そのせいか途中実験に対して少し気が重くなった時期もありましたが、それでもめげずに研究室に通い、一緒に実験や雑談をし、向こうの学生、教授との信頼関係の構築に励みました。その甲斐もあって、実験については一定の成果を得る事が出来たと思っています。
生活面では、個人的にドイツの田舎の雰囲気が気に入ったので、郊外を中心に一人旅をしました。ドイツ最高峰の山Zugspitze、Baden-Baden、ノイシュバンシュタイン城など、それぞれに特徴があって印象的な風景を見せていました。
こうして振り返ればあっという間の2カ月間でしたが、自分にとって非常に有意義で、かつ異質な時間を過ごせました。協力して頂いた関係者の皆様に深く感謝いたします。

(追記)
もうすぐ大学生活も終わりを迎えようとしていますが、このドイツ留学の経験も含め、これまでを総括して、何事も以下の要素が大事であると最近考えるようになりました。

・「好奇心」
全ての行動の原動力。好奇心を持って取り組めるかどうかがその人のパフォーマンスに大きく影響すると考えています。頭の良し悪しは経験上あまり関係ない気がします。
・「他者との信頼関係」
いくら能力が高くても相手に気に入られず、受け入れられなければその先に進めません。双方にとって心地良い関係を築くことが大事であると考えています。


写真は宿でお世話になったOtzingerさん(右)と姪のMaria(中央)です。

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# by keio-itp | 2014-01-04 00:00 | 2013年ミュンヘン工科大学・大塚