人気ブログランキング | 話題のタグを見る

慶應義塾ITP派遣生からの現地報告書です


by keio-itp

はじめまして。

今回慶應義塾大学ITPを利用して、オーストラリアのCSIROという研究機関に留学することになりました、修士1年の仲真弓と申します。専門は数理科学の中の統計に属するデータサイエンスで、現在「オーストラリア北部における、トロール漁による海底生物への影響」を研究対象としています。ここで現地報告をしていきますので、よろしくお願いします!

まず私の派遣先が大学ではないので、そこから説明します。CSIROとは、豪州連邦科学産業研究機構 (Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation) という国の研究機関です。このCSIROでは様々な分野にわたって研究がおこなわれていますが、その中のMarine Research Laboratoriesで行っている「トロール漁による海底生物の影響の調査」について、私の所属している研究室が共同研究をしています。そのため、その調査によって得られたデータを解析した結果を持って実際に調査に携わった研究者たちと直接会って議論することで、より有益な研究結果が得られると考え、このプログラムを利用することにしました。
CSIROの共同研究者の方には今年の3月に慶應で行われたワークショップに来ていただいているので、全く知らない人のところに行くわけではありません。また宿泊先は、その共同研究を行っている方がホームスティ先を探してくださったので、その点についてはあまり心配する必要はありませんでした。



昨日無事Brisbane空港に到着し、週末だったこともあり、ホームスティ先の方がお家の近くをいろいろと案内してくれました。今日はKoala SanctuaryとBrisbaneの中心地につれていってもらいました!
はじめまして。_e0194142_2222859.jpg

Sanctuaryというと鳥獣保護区と辞書には書いてありますが、コアラがメインで、他にもオーストラリアならではの動物がたくさんいました。
こんなに近くで写真もとれました!
はじめまして。_e0194142_2232182.jpg


まだなかなか言いたいことを英語にできずもどかしい気持ちになっていますが、ホームスティという恵まれた環境を生かして英語の力をつけると同時に、研究の成果もしっかり出して、充実した留学にしたいと思います!
# by keio-itp | 2009-10-04 22:05 | 2009年CSIRO・仲
どうも、ボストンの三宅です。ボストンに着いて早3週間、生活自体はボストンに慣れ親しんだと言えそうな気がしている今日この頃です。ただそうは言いましても日々勉強・研究に追い立てられているような状況でして「今日は観光でもしようかな?」なんて気楽に言える日はボストンに来てからというものただの一日もありません。ボストンに関して私が実地を歩いて得た地理的知識は未だ大学と下宿の周辺のみというかくも哀しい有様です。

そんな私ですが、先日大学の帰りに近所にあるボストン・レッドソックスの本拠地、フェンウェイパークを見に行ってみました。ここで日々日本でも中継してされている大リーグの熱戦が繰り広げられているわけか、と考えたら思わず感激の涙が!と別に流れませんでしたが、隣接している球団のグッズ店には選手が試合で実際に試用したバッドなどのレア(高額)商品からユニフォームやコップなどの比較的ポピュラーな商品まで球団に関係するありとあらゆるファングッズが陳列されていて、見ているだけでレッドソックスのファンになってしまいそうでした。日本へのお土産はここで買って帰ることになりそうです。

ボストン、その土地とそこに住む人々_e0194142_115161.jpg


さて、ここボストンでも日本と同様、初秋からインフルエンザがはやり始めているようで、道を歩いていても咳をしている人、明らかに鼻声を出している人など多くみられます。ただ人と人との距離が日本の都心部と比べて比較的離れているので、日本程、感染の心配をする必要はなさそうです。しかし米国に来てからというもの、マスクをしている人をひとっこ一人みかけないことには少々驚いています。感染の危険を気にしないのか、それともマスクの効用を信じていないのか、理由は定かではないものの、確かに皆さんマスクはしておりません。滞米期間が長期に渡る、とある日本人の方によると米国ではマスクというものは感染をしている人が他人にうつすことのないようにするものであって、そもそも予防目的で装着するものではないようです。成程、アメリカ人は他者への愛に溢れている訳ですね。と、そうは言いましても明らかに風邪をひいている人がマスクをせずに友人の顔目掛けて「ゴッホン、ゴッホン」激しい咳を繰り返している姿が度々見掛けられるのですが…、あれは何なのでしょうね。まあとにかく米国ではマスクをする習慣というのが甚だ希薄なので、私も日本から持ち込んだウイルスを99%以上防御せしめたるマスクが沢山あるのですが、どうやら一度も身につけることなく帰国することになりそうです。

先週からホストになって頂いている教授とのミーティングが始まりました。日本のゼミと同じ様に主に私が話をしていって時折先生の方から質問が出されてそれに答えていく…というスタイルなのだろうと思っていたので、文献の一行一行を参考書も使って丁寧に理解し、ノートに再構成し、内容を頭に染み込ませていくというのを一日20時間くらいかけて詳細に準備をし、「これで大丈夫だ、どこから質問されてもノープロブレム」というところまで準備をしていったのですが、ミーティングが始まって「どのあたりまで読んできましたか?」と聞いてきたので、私は「…ページまでです」と答えたところ、先生は開口一番「それでは少ないですね、もっとスピーディに読んでいかないと。研究者は膨大な量の文献をこなさないといけないので、そんなに細かい所まで読んではいられませんよ。大まかに内容を掴んだらもう次にいかないと。貴方の読み方は研究者の読み方ではなくて学生の読み方です。ポイント、ポイントを掴んでいくことに労力を使いましょう。本のどこをどこまで深く読むかということは、我々読者が決められるのですよ」そう言うとニッコリと微笑みました。

全くその通り。私の読み方では時間だけ浪費してしまい、今回の短期留学の期間内には何も掴めないまま、論文を中途半端な所で終えてしまうところでした。その後、来週までにとりあえず一章全部読んできてください。そして内容について来週また話し合いましょうと言われて先生の部屋を後にしました。それからの一週間は論文のどこがポイントでどこが後章にまで使われる道具かということに重点を置いて読むことにしました。地道な試験勉強を大学のゼミの準備に例えるならば、この研究者の文献の読み方というのは試験にヤマカンで臨むことに近いような気がします。しかしそうは言っても基礎は大事で基礎を疎かにして研究の段階に踏み込める筈もないので、やはり第一章と言われたら第一章の殆どを堅実に読解するしかなく、朝から晩まで論文をひたすら読み込み、ノートにまとめていくという地道な作業を繰り返すことになりました。

昨日あった二度目のミーティングでは先生から質問が出され、それを二人で考えていくというスタイルでした。主に例を二人で挙げながら一般論を咀嚼していく感じでしょうか。私は始終タジタジでしたが、自らの理解不足の箇所なども確認出来て非常に勉強になりました。このミーティングは帰国直前まで行われると思いますが、新しい結果とまではいかなくても、研究の新たな方向性などを見いだせていければと思います。

今週からMITのInfinite-Dimensional Algebra Seminarを聞きにいく予定でいます。電車でも行けるみたいですが、乗換とか結構大変らしく、それ程遠方でもないので歩いていくつもりです。既にMITには一度歩いて下見に行っています。グーグルマップで大まかな地理を頭に入れて行ったのですが、MITの中に入ってからはすぐに迷子になりました。所どころに地図などもあるのですが、全くもって所どころにしかないので、どこに何かあるのかさっぱり分からなくなります。広大な割に目印になるような施設も余りなく、大きな建物に遭遇し、「やっぱりMITってすごいなあ」なんて感心していると既にそこはMITの外だったりします。ミーティングの時に先生にMITでのことを話すと先生は笑いながら「僕もだよ、皆そう、MITの中は凄く分かりにくいからね、誰だって迷うよ、あそこは」と言いました。私はボストンに来てから自身の方向感覚に少なからぬ疑問を抱いていたのですが、それを聞いて少し安心しました。「ボストンはMITとかハーバードなど全米有数の研究施設が歩いていけるくらいの範囲に集中しているので、研究には最高の場所ですね」と私が先生に言うと、「うん、ボストンは狭い町だけどね、東京とか横浜みたいに大きな町じゃない。けどその中に多くの大学施設が集中しているからね、研究には申し分ないところだよ」「ええ、非常に良い所です。僕は凄くこの町が気に入りました」「そうかい!それは良かった」

ボストン、その土地とそこに住む人々_e0194142_10365.jpg


ボストンの町は落ち着いていて品がある町のように思います。ボストンの住民の方々もそれを自負していてそれを保ち高めることに感心があるようです。大学の付近にはまた他の大学や研究所があり、アカデミックな雰囲気に常に包まれていて、落ちついて勉強が出来る環境にあります。なにより目に入る人々の多くがアカデミズムに属し、学究に日夜勤しんでいるので、自分もやらなければという気持ちにさせてくれます。これは自分も遊ばなくて良いのかという気持ちにさせてくれる日本の都心とは大きく異なる点です。

ボストンの人々もまた町の雰囲気と調和が取れた米国人にしては落ちついた人が多いように見受けられます。そして何より親切な方々です。ボストン大学に初めて行った日、数学部門の校舎にはすんなりといけたんですが、帰る際に道を見失ってしまいました。同じ道を行ったり来たりしている内に日は傾き始め、次第に空は薄い橙色に染まり始めました。初めての土地で初めての道。私は小学校の入学式の時のような心細い気持になり、小学生の様に道の真ん中で地べたに座り込みエンエン泣きだそうかと思った程です。私はどことなく優しげなおばさんに思い切って道を尋ねてみました。「あ、あの、ダマ-通りへの道を教えて頂けないでしょうか」「えっ、ダマー通り?」私は「ええ」と頷きました。「困ったわ、知らないわね」おばさんはしばらく周りの道を見渡しながら「ちょっと待ってね」と携帯を取り出し、地図で調べだしました。初老のご婦人が最新式の携帯電話を使いこなす様は日本ではなかなか見られない姿です。私は「すみません、お忙しいだろうに本当にすみません」とただ恐縮するばかりです。「あらぁ、ちょっと分からないわね、この辺りなの?」「多分、そうだと…、ボストンは初めて来たばかりでなにぶん地理をまだ覚えてなくて…」「そうなの、それは大変ね、あっ、ちょっと」と言っておばさんは他のおばさんに話しかけました。「あなた、ダマー通りって知ってる?この人がそこに行きたいらしいんだけど、ちょっと私も分からなくて」「あ、私知ってるわよ、私の家の近くだから、そうだ、じゃあ私が連れていってあげるわ」と私は新たなご婦人に道案内をしてもらうことになりました。ろくに英語もしゃべれない怪しいアジア人の男を目的地まで連れていくなんて親切すぎる、日本では絶対ありえないと思いました。初めに話しかけたご婦人とは「貴方の親切に心から感謝します」と覚えたての英語例文を言って別れました。ダマー通りに行く道中は結構距離もあったので(遥か彼方まで迷ってきてた)色々と話をしました。「貴方、どうしてボストンに来たの、学生?」「ええ、日本の学生です。二か月間、研究にボストン大学の方に」「分野は何をしているの」「数学です」「数学?あらまたとんでもない分野をしているのね」「よく言われます」長々と話しをさせて頂いた後に目的地であるダマー通りに到着しました。おばさんは「ボストンを楽しんでね」と言って別の道に入っていきました。私は「貴方の親切に心から感謝します」とやっぱり覚えたての英語例文を言って家路に着きました。何かの折に先生にでも言おうと覚えたのですが、早くも役立って良かったと思いました。

それではまた。
# by keio-itp | 2009-10-01 01:13 | 2009年ボストン大学・三宅
どうも、三宅です。先週ボストン入りをしてから早一週間を経ようとしています。

こちらに暮らし始めた当初は日本における暮らしとの違いに少なからぬギャップを感じ、とまどいに似た気持ちも感じていましたが、最近はそれにもようやく(少し)慣れてきたような気がします。

ボストンに来てからの数日間はボストン大学における様々な事務手続きをする為に、あっちに行ったりこっちに行ったりしていました。あっちやこっちと一口に言いましても、ボストン大学は全米の中でもかなり大規模な大学の部類に属すそうなので、もう大変。数か所も回ろうものなら初めての土地と英会話下手も相まって一日仕事になります。

しかし苦労の甲斐あって、ボストン大学のVisiting ScholarのIDカードも貰えたし、大学院生の研究室も借りることができました。いやこれは私の苦労のお陰などでは決してなく、全くもってホストになってくれた先生の尽力のお陰です。たった二カ月の滞在だというのにここまでしてもらえて感無量です。

だいぶこちらの生活にも慣れてきました。かな?_e0194142_759415.jpg


先週の木曜から大学院の数理物理の授業に出ています。授業内容としては「量子場の理論に対する代数的アプローチ(ホップ代数の理論を用いる)」ということになろうかと思いますが、実質的な授業内容は数学と言うよりは物理でかなり私的にはかなり難しく感じます。ホップ代数の組み合わせ論的なアプローチについて詳しく述べるのだろうと勝手に思っていた私は馬鹿でした。

ところでこの授業ですが、週における授業は日本の様に週一回ではなく週二回あります。今週は追加も含めて週3回あります。それもどの日も早朝9時半から。授業の場所も教室を普通に使うこともあれば、廊下にある黒板と椅子を使って行うこともあります。「廊下で数学の授業をするなんて!」なかなかこれは日本では経験できないことかもしれません。

そういう訳で「成程、朝の9時半がこの国の一時限目なのだろう」と思っていたのですが、ところがどっこい9時前に大学に着くとその時にはもう授業があっちでもこっちでも始まっていたのです。一体、何時から一時限目は開始されるのだろう?と不思議に思っている今日この頃です。

日本では何時間もかけて自宅から通学する学生もいるので、余り早い時間帯からの授業開始は難しいのでしょうけど、ボストン大学では学生はおおよそ大学内にある学生宿舎に暮しているようなので、こういうことが可能なのかもしれません。日本は土地が狭いので、なかなかこの様な制度を採用出来ませんよね。筑波大学にはこの様な大規模な学生宿舎があるようですが。

金曜日はお昼から大学院生が話す幾何学セミナーに出席しています。使用している教材は
Quantum Mechanics for Mathematicians, Leon A. Takhtajan 著
です。

大学院生のセミナーも日本のそれとは若干システムが違うようで、日本では基本的に指導教官一人とその学生達とでセミナーを行うのが標準的ですが、ここボストン大学の院生ゼミには、幾何学の教官全員が出席して、当番の院生が話をしていきます。それもかなりの大教室を使って。院生ゼミというよりはかなりフォーマルなセミナーの雰囲気が醸し出されています。

他に水曜日にある数理物理と幾何学のセミナーに出席しています。これは突然セミナーが行われる教室が変更になったりすることも含めて日本と同じです。

しかしボストンに行ったら近隣の大学のセミナーにも色々行ってみようと思っていたのですが、なかなかどうしてボストン大学での行事?をこなすだけでもかなりの忙しさです。ホストの先生とのゼミで読む予定の文献を予習するだけでも、一日10時間くらい机にかじりついています。

今日は細かい個所でどうしても文献のみでは理解し難い個所があったので、近くの大学の書店でjacobsonのbasic algebraⅡを購入しました。代数学の辞書的な書籍です。二巻にはホモロジー代数やカテゴリー論なども含まれていて値段の割にお手頃感があるのですが、少々古典的ということもあり、量子群やアウスランダーライテン理論などに関する記述は見当たりません。しかしそれでも代数学に関する基本的な結果をかなり網羅的に記述してあるので、重宝しそうです。

今回の渡米に際して本は必要ないだろう(二か月なので論文を何篇か読むくらいだろうと)と殆ど持ってこなかったのですが、今あらためて考えてみると少しは持ってくるべきだったような気がしています。

ただ数学者の藤原正彦氏が若き日の滞米経験を記した「若き数学者のアメリカ」によると、長いこと米国に住んでいると日本語が恋しくなるのだそうで、数学書ではありませんが遠藤周作氏の著書を一冊持ってきました。日本が恋しくなったらその本でも読んで涙で本を汚そうと思っています。

まあ以前半年近く米国に滞在した時には一向に日本が恋しくならなかった(当時は恋しくなるどころではなかった)ので、今回も大丈夫でしょう。それではまた。
# by keio-itp | 2009-09-24 09:21 | 2009年ボストン大学・三宅
この度、慶應義塾大学ITPプログラムを利用して米国のボストン大学に2か月間の短期研究留学をすることになりました三宅健と言います。今後、定期的にボストンでの現地報告をブログ上で行っていきます。どうぞ宜しく。

(ブログにアップするということも考慮し、一般の人に読んでもらうことを想定して余り肩に力が入りすぎない内容にしていこうと思っています。)

さて、まずはボストンに着くまでの話ですが、普通はボストンに行くとなったら飛行機で行く訳です。もちろん日本からボストンまでの直通便はありませんから乗換えが必要となります。ダラスだったりサンフランシスコだったりとそれはどこでも良いのですが、私はニューヨークを選びました。

ニューヨークからボストンに行くのは飛行機をそのまま乗り継いで行くのが一般的なのでしょうが、私は電車を選びました。アメリカの風景、アメリカの匂いを肌で感じ取りたい。なんて情熱的な理由ではなく、実は単に飛行機に乗るのが生来苦手だからです。

成田からニューヨークまで飛行機で行くのもそれなりに大変でした。飛行機がガタガタ揺れ始めるとパイロットがシートベルトの着用をアナウンスするのですが、その度に私は備え付けのマクラみたいなものをギュッと抱きしめ、「助けてー」と心の中で一人絶叫しておりました。そんなことが何度もあったのでJFK国際空港に降り立った時には膝がガクガク、足が蛸みたいになりながら飛行機から降りました。

米国に入国する際の税関の手続きは厳しいと聞いていたのですが、ボストン大学のホストになってくれた教授や事務の人からの受け入れ承諾の手紙を見せたら何事もなくスムーズに通してもらえました。素っ裸にされてボディーチェックなどされたらどうしようと思っていましたが、案ずるより生むが易しでした。

そんな訳でニューヨークのペンシルバニア駅からボストン南駅まで電車で移動することになった訳ですが、電車の座席は空席が目立ち、大型の旅行鞄を置いておける専用の場所もあるし、旅路はなかなか快適なものでした。文献を読んだり、原稿を整理するスペースもあるし、食堂もあるということで、研究者の方々には飛行機よりもむしろ電車の方をお勧めしたいくらいです。

そして以下の写真はボストン南駅を一歩出た所でパシャリと撮ってみたものです。

ボストンでの生活が始まりました。_e0194142_9565645.jpg


ボストンに到着した日は若干の疲労もあり、ボストン大学には行かずにそのまま駅近くのホテルに宿泊しました。ホテルまではタクシーで行ったのですが、タクシーの運転手が意外に親切なので驚きました。以前、米国の他の地域でもタクシーを利用したことがあるのですが、遠回りされたり、怒鳴られたりと余り良い思い出がなかったもので。

ニューヨークのタクシーは黄色いことで知られていますが、ボストンのタクシーは白いのですね。今回、初めて知りました。昔、ニューヨークに滞在した時に白タク(白いタクシー)には絶対乗るなよと注意されていたので、ボストンに来て白いタクシーしか走ってないのを見た時はどうしようかと思いました。

その後、ホテルにチェックインを済ませて食事に出かけたらそこでバッタリ、ボストンレッドソックスの岡島投手を見かけました。「嗚呼、ここって(本当に)ボストンなんだなあ」としばし感慨にふけった次第です。
ボストンでの生活が始まりました。_e0194142_11164144.jpg

この写真は岡島選手を見かけた場所の近くで撮影してみました。

翌日の午前中にボストン大学の近くの下宿に移り、その後、ボストン大学の数学棟に今回の訪問のホストになってくださった先生のところにご挨拶に伺いました。

そしてこれからの滞在中にボストン大学の幾何セミナー、数理物理のセミナー、大学院生のゼミ、数理物理の授業等、参加する内容について話し合いました。

私個人としましては今回のボストン大学滞在において、「ホップ代数の組み合わせ論的側面、場の理論への応用」という一つ大きなテーマを決めてそれを軸に研究を進めていこうと考えています。

ホストになって頂いた教授とのゼミでは
「Hopf algebras, from basics to applications to renormalization, Dominique Manchon, arXiv:math/0408405v2」
を読んでいく予定です。ボストン大学にはこの分野のパイオニアの先生がいらっしゃり、授業やセミナーでもこの話題が頻繁に取り上げられているので、その意味でもこの滞在中にこの分野を学ぶ価値は大いにあると思っております。

なにぶんボストン滞在はまだ始まったばかりで生活上のことなどでも、慣れない点は多々ありますが、この機会を存分に活かせる様、全力で頑張っていきたいと思います。
# by keio-itp | 2009-09-18 11:49 | 2009年ボストン大学・三宅
慶應義塾大学理工学研究科「数理科学が先導するボーダレス基礎理工学若手研究者国際育成戦略」は平成21年度のJSPS ITP 事業に採択されました。


独立行政法人日本学術振興会「若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラム(ITP)」
http://www.jsps.go.jp/j-itp/index.html

理工学研究科のITPに関するHP
http://www.st.keio.ac.jp/contents/ic/itp/index.html

今後本ブログでは派遣される若手研究者の現地報告を掲載していく予定です。
# by keio-itp | 2009-08-19 09:28 | 事務局より